「でも…」が増えるのは、素直でないから?
私は、 素直に一度やってみることは、 何かが上手になるために 大切なことの一つだと思っています。 例えば武道で、 「肩の力を抜いて」 と教えてもらったら、 すぐに意識してみる。 仕事でも、 「お客様には、こんな話し方をしてみたら」 とアドバイスされたら、 次に試してみる。 まずやってみる。 こういう素直さは、 成長するうえで大切だと思います。 でも、何かを伝えたときに、 「でも……」 「それは難しいです」 「やっても無理だと思います」 という言葉が増えてくる人もいます。 そんなとき、 「この人は素直じゃないな」 と思ってしまいがちです。 私はある時、 それだけではないのでは?と 考えるようになりました。 理由の一つに、 その人にとって、 課題が難しすぎる ということがあるかもしれません。 やってみる。 でも、できない。 工夫してみる。 それでも、できない。 そんな経験が続くと、 「どうせやっても……」 となってしまうことがあります。 ある研究では、 「自分が何をしても結果を変えられない」 という経験が続くと、 その後、新しい行動を起こしにくくなることが分かっています。 逆に、 「やってみたら、できた」 という経験は、 「自分にもできそうだ」 という感覚につながることも、 これまでの様々な研究で報告されています。 ですから、私は、 「この人は素直ではない」 と決める前に、 もしかすると、 課題がその人にとって 難しすぎるということはないか? と考えるようにしています。 大きすぎるなら、 少し小さくする。 「これならできそう」 というところから始めてもらう。 そして、 「できた」 を一つずつ増やしていく。 もちろん、 「でも……」の理由は これだけではありません。 こちらの言っていることに 納得していないこともあるし、 こちらが間違っていることだってあります。 だからこそ、 「この人は素直じゃない」 で終わらせず、 なぜ「でも……」が出ているんだろう? と、一度考えてみる。 こう言う視点があってもいいのでは、と 思います。
