「ストーナー」ジョン・ウィリアムズを読んで
- 5月4日
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主人公のウィリアム・ストーナーは、まっすぐな人。 だからなのか、大きな成功を収めるわけでもなく、人生が劇的に報われるわけでもない。 ストーナーは、文学と出会い、人と出会い、自分の中にあるものに気がついていきます。 自分が本当に大切だと思うものに出会い、それを最後まで手放さなかった人です。 ただ、同時に思いました。 この人に、良き理解者がいたらよかったのに、と。 彼のまっすぐさをわかってくれる人。 彼の感性の豊かさを、きちんと見てくれる人。 そして、こう伝えてくれる人です。 「あなたは間違っていない。ただ、そのまっすぐさを守る方法も覚えた方がいい」 人は、正しければうまくいくわけではありません。 誠実であれば、必ず報われるわけでもありません。 現実の人間関係には、誤解もあります。 嫉妬もあります。 支配もあります。 弱さからくる攻撃もあります。 だからこそ、まっすぐな人ほど、自分を守る言葉や、自分を支えてくれる存在が必要なのだと思います。 ストーナーは、うまく生きた人ではなかったかもしれません。 けれど、まっすぐ生きた人ではあった。 私はこの小説を、そんなふうに受け取りました。 人生には、目立つ成功とは別に、静かに守り続ける価値があります。 誰にも大きく称賛されなくても、自分が本当に大切だと思う価値を手放さないこと。 それもまた、一つの生き方なのだと思います。

