「悲しみの秘儀」を読んで
- 2月13日
- 読了時間: 2分
この本を読んで、私が一番はっきり理解したことがあります。
それは、悲しみは、解決するものではないということです。
私たちは、つらい出来事があると、
「どう意味づけるか」
「どう前向きになるか」
を考えがちです。
私自身も、そうやって物事を処理してきました。
しかし『悲しみの秘儀』は、違う立場を取ります。
悲しみは、考えて整理する対象ではなく、
一度、そのまま引き受ける体験だと書かれています。
本の中に、印象に残った一節があります。
人は、真に他者とつながるために、一度は「一人であること」を引き受けなければならない。
これは、「人は孤独でいろ」という話ではありません。
誰かに分かってもらおうと急ぐ前に、
自分の中に起きている感情から逃げないこと。
その姿勢がなければ、他人との関係も表面的なものになる、
私はそう受け取りました。
人は、すべてを分かり合うことはできません。
それでも、短い時間でも
「この人とは、確かにつながった」
と感じる瞬間があります。
その感覚は、
正論を並べたときや、
問題をうまく解決したときではなく、
感情をごまかさずに向き合ったときに生まれるものだと思います。
『悲しみの秘儀』は、
悲しみを乗り越える方法を教える本ではありません。
むしろ、
悲しみを急いで処理しない勇気を教えてくれる本です。
人を支える立場にある人ほど、
早く答えを出そうとします。
早く前に進もうとします。
その姿勢が必要な場面も、確かにあります。
ただ、
人と深く関わりたいなら、
ときには立ち止まり、
分からないまま、感じたまま、
そこにとどまる時間も必要なのだと、この本は教えてくれました。
静かに、しかし確実に、考え方を揺さぶられる一冊でした。

