「西の魔女が死んだ」を読んで
- 3月11日
- 読了時間: 2分
物語としては、とても静かです。 大きな事件が起きるわけでも、強いメッセージが押しつけられるわけでもありません。 それでも、読み終えたあとに、 何かが少し整うような感覚が残りました。 この物語で描かれているのは、 「どう生きるか」を誰かに教えてもらう話ではありません。 むしろ、 自分で決めて、自分で引き受けることの話だと感じました。 朝起きること。 庭に出ること。 嫌なことから目をそらさないこと。 そして、無理に強がらないこと。 どれも特別なことではありません。 けれど、実際にはとても難しいことです。 人はつい、 正解を探したり、 誰かに認められようとしたり、 自分の感情を後回しにしてしまいます。 この本に出てくる「魔女」は、 何かを教え込む人ではありません。 ただ、自分の生活を淡々と生きているだけです。 その姿そのものが、 「こういう生き方もある」と静かに示されています。 人と完全に分かり合うことはできない。 それでも、 一瞬でも同じ空気を感じられる時間があればいい。 この物語には、そんな距離感があります。 励まされる、というより、 急がなくていいと思わせてくれる本でした。 何かを頑張りすぎているときや、 理由のない疲れを感じているときに、 そっと手に取ると、ちょうどいい一冊だと思います。

