『ツナグ』を読んで 辻村深月 著
- 8月6日
- 読了時間: 1分
人はそれぞれ、他人が思っている以上に、さまざまな事情や考え、思いを抱えているものです。 それをすべて言葉にしたからと言って、相手に理解されるわけでもありません。 そのために起きる、すれ違いや誤解。 お互いに話しているのに、話せば話すほど、ずれていく。 この本には、そうした人と人との関係の複雑さが、うまくに描かれています。 相手が亡くなってしまえば、もう確かめることも、伝えることもできません。 だからと言って、相手が生きていれば分かり合えるのかというと、必ずしもそうではないのでしょう。 むしろ、生きているからこそ、いつでも話せると思い、進んでその溝を埋めようとしないこともあります。 近くにいることと、理解し合っていることは、同じではないと思います。 人と人との間にある、言葉にできない思いや、気を使うからこそ起きてしまうこと、埋められないものについて考えさせられる本でした。 後半については、若干強引に感じる話の展開があって、そこは少し好みが分かれるかもしれません。

