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ポルノグラフィティのサウダージが名曲すぎたので、人はなぜ過去を手放せないのか考えてみた

  • 5月11日
  • 読了時間: 3分

人は、絆を求める生き物だと思います。 心理学者のバウマイスターとリアリーは、 人には「安定した対人関係を求める基本的な欲求」があると述べています。 人は一人で生きているわけではなく、 誰かとつながっている感覚に支えられている、 ということにもなります。 私は、絆には二つあると思っています。 一つは、他人との絆です。 家族、友人、仲間、大切な人。 誰かとつながっているという感覚は、 人を支えてくれる。 これは、多くの人が実感として理解できることだと思います。 そしてもう一つは、 「自分との絆」です。 自分が本気で生きた時間。 誰かを大切に思った自分。 心が大きく動いていた自分。 そういう自分とのつながりを、 人は簡単には切れないのではないかと思うのです。 『サウダージ』は、 失った相手を忘れられない歌として聴くことができます。 ただ、私はそれだけではないように感じます。 本当に忘れられないのは、 相手そのものだけではない。 その相手に向かっていた時の自分。 その時間の中で、 たしかに本気で生きていた自分。 心が強く動いていた自分。 その自分を、 忘れたくないという気持ちもあるのではないでしょうか。 人は時々、 過去を手放したくなります。 もう苦しみたくない。 もう引きずりたくない。 もう前を向きたい。 だから、 「あれは間違いだった」 「あの頃は未熟だった」 と片づけようとする。 そう考えれば、 少し楽になることもあります。 でも、人の心は、 そんなに単純ではない気がします。 なぜなら、 過去を全部切り捨ててしまうことは、 その時、本気で生きていた自分まで 否定してしまう感覚があるからです。 ここに、 人間の複雑さがあります。 忘れたい。 でも、切り捨てたくはない。 前に進みたい。 でも、あの時の自分まで なかったことにはしたくない。 『サウダージ』の切なさは、 そこにあるのではないかと思います。 単なる過去への執着ではない。 失った相手を思っているようで、 実はその奥に、 「忘れられない自分」と まだつながっていたい気持ちがある。 あの時の自分は苦しかった。 でも、本気だった。 誰かを思い、 何かに向かい、 心が動いていた。 だからこそ、 簡単には忘れられない。 これは恋愛だけではなく、 仕事や夢、挑戦、人との関係でも 起こることなのかもしれません。 昔の挑戦を思い出して、 胸が苦しくなることがある。 うまくいかなかった出来事なのに、 なぜか切り捨てられないことがある。 それは、 「過去の出来事」に執着しているというより、 その時たしかに生きていた 「自分との絆」を、 失いたくないからなのかもしれません。 前に進むとは、 過去を忘れることではないのだと思います。 「あれでよかったのかもしれない」 そう思えることも、 前進の一つなのかもしれません。 『サウダージ』の巧みなところは、 こうした複雑な感情を、 説明しすぎずに、 音と言葉で響かせているところにあります。 だからこの曲は、 ただの失恋の歌では終わらない。 人が「生きた時間」を、 思い出させる力がある。 私は、 そんな曲なのではないかと思っています。


 
 
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