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川上弘美著「センセイの鞄」を読んで

  • 2月13日
  • 読了時間: 2分

静かな物語です。

けれど読み進めるほど、心の奥に静かに沈んでいくものがありました。

 

物語の核にあるのは、

派手な出来事ではなく、人と人が同じ時間を“ていねいに共有する”ということです。

会話の間合いや、沈黙の温度。

季節の移ろいを共に味わう穏やかな感覚。

それらがゆっくり積み重なって、関係が育っていく。

 

私はこの“ただ一緒にいる”という在り方に、

深い意味を感じました。

 

人はしばしば「劇的」「大きな成果」「大きな変化」へ意識を向けがちです。

けれど本当に居心地が良い瞬間は、

特別、や、大きなことよりも、

「静かにじーんとする時間」があるかどうかで決まると、最近よく思います。

 

この本を読んで、

人との「つながり」の本質は、

派手さでも熱量でもなく、

相手の存在をそのまま受けとめる“静かな関係性”にこそ宿るのだと改めて感じました。

 

そしてもう一つ。

物語全体に流れるゆったりとした時間の感覚が、

「急がなくてもいい」というメッセージにも思えました。

日々の仕事や生活の中で、

スピードに飲まれそうになることは誰にでもあります。

そんなときこそ、

一呼吸おき、今の時間を味わう余裕が

自分を整えてくれます。

 

『センセイの鞄』は、

その当たり前を、やわらかく思い出させてくれる本でした。



 
 
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